残業の延長によって労働時間はかえってふえた

2011.12.31

株式総額は九〇〇兆円近くに膨張していたという推計もある。二四〇〇兆円と言えば当時のアメリカ合衆国の土地総額の四・五倍にも匹敵する。また九〇〇兆円と言えば日本の当時のGDPの一∵五倍に相当するのである。これらの数字は資産膨張がいかに実体の裏付けのない大きなバブルを含んでいたかを物語る。こうしたバブル膨張下の需要拡大を前にして、日本の企業は同業他社にシェアを奪われまいとして必死に増産にはげみ、また、投
残業の延長によって労働時間はかえってふえた... の続きを読む

日本型雇用システムはグローバリズムに対応できるか否かが問題

2011.12.24

変動の結果として現在の日本型雇用システムの形成があるのなら、新たな環境条件の変化に応じて、それがさらなる変動に迫られることも不思議ではない。なるほど現在の環境条件の変化は、これまでにないものである。それは一言でいえば、グローバリズムというものであるが、しかし既存のシステムの終焉を迫るかのような変動もまた、今回が初めてというわけではない。七〇年代の石油危機後の不況にあっては、それまでの一〇%前後の成
日本型雇用システムはグローバリズムに対応できるか否... の続きを読む

人事部長の直談判

2011.12.24

我々経由でA社に入社した三人の営業職の人たちから、時を同じくして悩みを打ち明けられた。「どうも、社長とうまくコミュニケーションできないんですよ。何だか自信を失ってしまって……」最初にこの話を聞いたときは、てっきり英語の問題かと思ったが、実際はそうではなかった。X氏の日本語の問題なのである。自らマネジメントをしたがるX氏は、昔日本に住んでいたこともあって、片言の日本語を話す。ただ、あくまで片言なので
人事部長の直談判... の続きを読む

昇格試験の内容

2011.12.24

年二回、一定の年次に至った従業員を対象に試験を実施し、合格すれば昇進・昇格、不合格であれば、次の試験まで待たねばならないという制度である。確かにわかりやすい指標ではあるものの、必ずしも仕事の成果と一致する考課ではないので、Tさんにとっては無意味以外の何ものでもなかった。それでも、中途入社したばかりのTさんとしては、異を唱えるのもためらわれたので、最初の試験くらいは受けておくか、と考えるに至った。し
昇格試験の内容... の続きを読む

労働契約法と労働時間法制のあり方

2011.12.23

二〇〇六年六月に示された厚生労働省「労働契約法と労働時間法制のあり方」は、「過労死の防止や少子化対策の観点から、労働者の疲労回復のための措置を講ずるとともに、長時間にわたる恒常的な時間外労働の削減をはかる必要があるとの共通の認識の下に、必要な見直しを行う」として、時間外労働を削減する必要を指摘している。そして、「自律的労働にふさわしい制度の創設」として、一定の要件を満たした場合、労働者との合意に基
労働契約法と労働時間法制のあり方... の続きを読む

サービスの質

2011.12.17

安上がりな非正規雇用が、それまでの主流であった正規雇用を駆逐していくのは、競争原理が働く場面では構造的なものだが、しかし、非正規雇用を短期的に入れ替えて人件費を抑制する手法が、ノウハウの蓄積や伝承、人員管理の面でかえって負担を高め、非効率であることは、よく知られている。営業秘密やノウハウの確保についても、外部化には一歩間違えば莫大な損失をこうむるリスクが常につきまとう。事実、大手人材派遣会社の登録
サービスの質... の続きを読む

公正なグローバル化

2011.12.16

グローバル化は、本来ならば、これまでにない物質的進歩をもたらし、すべての人々に生産的で、より良い仕事を与え、貧困の撲滅に大きな貢献をする可能性があるというのに、現実には、その利益に与っていない人々が多すぎる。そうした現実を前に、ILOは、「グローバル化の社会的側面に関する世界委員会」を設置し、その検討結果が二〇〇四年に『公正なグローバル化はすべての人々に機会を創り出す』というレポートとして公表され
公正なグローバル化... の続きを読む

産後6週間はどんな場合でも就業させられない

2011.12.09

総務庁「労働力調査」によれば、全就業者に占める女性労働者の割合は約4割に達しており、その活用は、今後も重要な企業戦略の一つとなっていくものと予想されます。そのための積極的な取組が、企業経営の観点からも求められています。女性労働者に対して、自社の整備された就業環境をアピールすることで、優秀な人材を確保することもできます。また、少子化が進むなか、女性労働者の母性を尊重し、働きながら安心して子供を産み育
産後6週間はどんな場合でも就業させられない... の続きを読む

人材育成に取り組もうとしない理由

2011.12.02

企業側が抱える要因からである。グローバル化の進展で企業を取り巻く競争環境は厳しく、資金獲得も直接金融にシフトしている。そのため、企業は短期的視点からの経営を余儀なくされている。その結果、常に人件費などの固定費を減らして身軽にしておきたいというインセンティブが強くなっている。そのため、仕事が増え人手が足りないと騒いでいる一方で、「(1)非正社員で何とか切り盛りしようする、(2)若手の正社員に過剰なサ
人材育成に取り組もうとしない理由... の続きを読む